映画監督・紀里谷和明氏初の自己啓発小説『地平線を追いかけて満員電車を降りてみた 自分と向き合う物語』。
4年半の年月をかけて本書を執筆されたようです。
5人の登場人物と、とある劇場の支配人との対話形式の物語です。
登場人物は「成功したい」「自分を好きになれない」「やりたいことが見つからない」「仕事がうまくいっていない」「人生をあきらめかけている」というそれぞれの想いを抱えています。
支配人はその想いに踏み込みます。
「いくらあればしあわせになれると思うのですか?」
こんな質問をされてもうまく答えられません。
支配人の話は続きます。
そして、登場人物それぞれの想いを紐解くように、想いの真髄へと近づいていきます。
「本当は何を欲しているのか」
「何になりたい?」ではなく「どうありたい?」
など、文字にすると見慣れたフレーズですが、その答えにたどり着くまでの会話がとても秀逸。
そして、何より自分自身に問いかけられているように感じて、自分自身の本当の想い、真実を見つめ直すお話となっています。
漠然とした不安や、堂々巡りの思いを持っている人、将来を考え始めたい人におすすめです。