本書は、日本経済新聞の編集委員・杉本貴司氏による、ユニクロ=ファーストリテイリング創業者・柳井正氏とその仲間たちによる知られざる軌跡を描いたノンフィクションです。
山口県宇部市のさびれた商店街にあった小さな紳士服店が、世界的アパレル企業に飛躍するまでを、圧倒的な筆力でリアルに再現しています 。
また本書は、読者が選ぶビジネス書グランプリ2025でイノベーション部門にて第四位受賞している話題作でもあります。
読み進める上で大切なポイントを下記にまとめました。
興味のある方はぜひお手に取ってみてください。
無気力青年が“金の鉱脈”と出会うまで
- 柳井正の原点:早稲田大学中退後、地元の紳士服店を継ぐも“寝太郎”と呼ばれるほど落ち込んでいた柳井青年。しかし、衰退する商店街で泥臭く奮闘し続ける中で、ユニクロという新たなビジネスモデルと出会う。
- 暗黒時代の10年:「無気力」から脱却し、試行錯誤の時期を経てSPA(製造小売)モデルを確立。地元での小さな成功が、世界進出の原動力へとつながります。
飛躍と挫折、海外展開の苦悩
- 東京進出とフリース革命:東京での旗艦店出店や、「ヒートテック」ブームにも匹敵するフリース人気の到来は、ユニクロの急成長を象徴しています。
- 海外市場での挑戦:ロンドン進出の一時的な敗退、その後の香港再挑戦など、柳井氏は世界戦略における苦意と飛躍を丁寧に語ります。
- 企業文化のジレンマ:「ブラック企業」批判にも直面。しかし著者は柳井氏自身や経営陣が現場の矛盾に真正面から向き合い、改善に取り組む姿を克明に描いています。
情報製造小売業へと進化を遂げるユニク
- SPAからさらなる進化へ:試作から販売までを一貫管理するSPAモデルを超え、「情報製造小売業」へとビジネスモデルを進化させた過程が描かれます。
- 経営哲学と同志たち:柳井氏を始め、澤田・玉塚・柚木といった“同志”の活躍や対立、葛藤を通じて、企業としての成長ストーリーが紡がれていきます。
- 圧倒的取材力が支えるリアルさ:本書は500ページを超える圧巻のボリュームで、商店街のサクセスストーリーからグローバル企業へと進化するドラマを、現場の声とともに迫真の筆致で再現しています。
まとめ:希望ある日本企業のモデル
『ユニクロ』は、
- 逆算思考に基づいた大目標の設定
- 失敗から再起する強靭さ
- 企業文化と人の成長を大切にする経営
といった普遍的な学びに満ちています。
地方企業からグローバルブランドへ、障壁を乗り越え続ける物語は、ビジネスを志すすべての人にとって、刺激と希望を与える一冊です。
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