きみのお金は誰のため: ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」

「老後のためにお金を貯めなきゃ」
「投資を始めないと将来が不安」

そんな「お金の悩み」が尽きない現代ですが、私たちはそもそも、お金の正体を正しく理解できているでしょうか?

今回ご紹介するのは、【読者が選ぶビジネス書グランプリ2024 総合グランプリ 第1位】を受賞した話題の一冊、田内学氏の著書『きみのお金は誰のため:ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』です。

元ゴールドマン・サックスの金利トレーダーという「お金のプロ」だった著者が、物語形式で「お金の本質」を優しく、かつ鋭く解き明かします。

お金は価値そのものではなく「チケット」である

本書の最大の特徴は、中学2年生の優斗が、謎の「ボス」から講義を受けるというストーリー形式にあります。

ボスが最初に突きつけるのは、「お金自体には価値がない」という衝撃的な事実です。

たとえば、無人島に100億円持って行っても、パン一つ買うことはできません
。なぜなら、そこに「パンを焼く人」がいないからです。 私たちはつい数字(貯金額)を増やすことに必死になりますが、お金とは本来、「誰かに働いてもらうためのチケット」に過ぎません。

「貯金」が未来を救わない理由

「みんなが貯金をすれば、将来は安心だ」という考えに対しても、本書は独自の視点を与えてくれます。

仮に日本中の全員が1億円ずつ持っていたとしても、40年後に農家や医師、インフラを支える人がいなくなれば、私たちは生活できません。

つまり、私たちの生活を支えているのは、銀行の残高ではなく「その時に働いている誰かの活動」なのです。

  • お金を溜め込む: 自分一人のチケットを確保すること
  • 社会を豊かにする: 未来に働いてくれる人を育て、技術を磨くこと

この視点の転換こそが、現代の「お金の不安」を解消する鍵となります。

社会の見え方が変わる「6つの謎」

本書では、お金のプロが陥りがちな罠を「6つの謎」として丁寧に紐解いていきます。

  • お金の謎: お金自体に価値はない
  • 解決の謎: お金で解決できる問題はない(解決するのは「人の労働」である)
  • 社会の謎: 未来には贈与(バトンタッチ)しかできない

難しい経済用語はほとんど出てきませんが、読み進めるうちに「物価高」や「少子化」「格差」といった複雑な社会問題の正体が、驚くほどシンプルに理解できるようになります。

自分と社会の「幸せ」をつなげる一冊

『きみのお金は誰のため』は、単なるマネー本ではありません。

お金を通して「私たちは一人で生きているのではなく、誰かの労働に支えられて生きている」という、温かな真理に気づかせてくれる本です。

「将来が不安で仕方ない」という方にこそ、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

読後には、毎日のお買い物や仕事が、今までとは少し違った、価値あるものに見えてくるはずです。

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