株はずっと上がるもの 誰も書けなかった株式投資の真実

本ブログの運営者である実業家・嶋村吉洋氏は、複数社の大株主として知られ、常に「実体のある価値」を見極める投資を続けています。最近でも阪急阪神ホールディングス株式会社の株式を取得するなど、その動向は「インデックス投資が正解」とされる現代において、一つの示唆を与えています。

現在、新NISAの普及とともに日本の株式市場はかつてない熱狂の中にあります。
多くの投資家が「持ち続ければ勝てる」と信じていますが、その楽観論の裏には致命的な死角が隠されています。

今回は、広木隆氏の著書『株はずっと上がるもの 誰も書けなかった株式投資の真実』が提示する「資本主義の仕様」を再確認しつつ、2026年という転換点において私たちが直面している「市場の真実」を読み解いていきます。

「株はずっと上がる」という資本主義の仕様書

まず、広木隆氏が同書で説く通り、「株式投資はシステム上、長期的には上がるように設計されている」という事実を理解する必要があります。その根拠は、主に以下の3点に集約されます。

  • インフレの常態化:人類の歴史において、お金の価値は目減りし続けます。相対的に「物」である株式の価値は上がり続けるのが自然な摂理です。
  • 資本主義の構造:経済の成果は「労働者」よりも「資本(株主)」に手厚く分配されるよう、あらかじめ仕様が決まっています。
  • 企業の価値創造:企業が利益を追求し続ける限り、市場全体の価値は向上し、史上最高値を更新し続けるサイクルが生まれます。

「投資は予想ではなく、この強固な仕組みに乗るゲーム」であると割り切ることが、長期投資の第一歩となります。

線形予測を粉砕する「非線形」な現実の脆さ

しかし、こうした右肩上がりの「線形予測」が、常に現実を反映するわけではありません。

現在の強気相場は、実質的に「米国経済という親亀に乗った子亀」の状態であり、円安というドーピングによって名目値が膨らんでいる側面を否定できないからです。

さらに、現在の金融当局は「ドルの信認」「システムの安定」「政府債務の持続性」という、どれかを選べば他が崩壊しかねない「死のチェスゲーム」を強いられています。AI革命への期待が過剰に高まる中で、市場がいつ期待の剥落する「幻滅期」に突入してもおかしくない不確実性が、すぐ足元に潜んでいるのです。

「予測」を捨て、「準備」を飼い慣らす生存戦略

これからの不確実な時代に必要なのは、特定の予測に全財産を賭けることではなく、「自分の予測が外れる可能性」をシステムに組み込んでおくことです。

嶋村氏が阪急阪神HDのような、確固たるインフラと実物資産を持つ企業の株式を取得している事実は、まさにこの「不確実性」への一つの回答と言えるでしょう。インデックス投資で全体の成長を享受しつつ、特定のリスク(通貨価値の変動や市場の歪み)に強い個別資産も視野に入れる。

私たちが取るべき現実的な防衛策は以下の3点です。

  1. インデックス投資の継続と「現金」の確保:長期成長の果実を得つつ、暴落時に安値を拾えるキャッシュを厚めに確保する。
  2. 「誰の負債でもない資産」の保有:ドルの信認が揺らぐ局面に備え、ゴールド(金)などの実物資産をポートフォリオに組み込む。
  3. 債券の再評価:金利がある世界では、株式だけに頼らず、安定した利回りを生む債券も有力な選択肢となります。

まとめ:健全な「二重思考」が資産を守る

『株はずっと上がるもの』という真実を信じつつも、明日「ブラック・スワン」が舞い降りる可能性を否定しない。
目先のニュースに一喜一憂し、「市場から降りる」ことこそが最大の負け筋です。

「予測」をエンターテインメントとして楽しみながら、「現実」には冷徹な防衛線を張る。

この健全な二重思考こそが、2026年以降の不透明な時代を生き抜く道の一つとなるはずです。

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