
「新しい企画を立てるなら、まずは市場調査から」
「完璧なデータが揃わないと不安で決断できない……」
ビジネスの現場で、そんな風に「情報収集」に溺れてしまった経験はありませんか?
実は、ボストン コンサルティング グループ(BCG)のようなトップコンサルタントたちは、全く逆のアプローチをとっています。
それが、まだ情報が不十分な段階で「仮の答え」を先に決めてしまう「仮説思考」です。
BCGの日本代表を務めた内田和成氏の著書『仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法』。
本書から、仕事のやり方を根本から変えるこの思考法について、3つのステップで紐解いていきましょう。
多くの人が陥る罠に「網羅思考」があります。
これは「念のため、あれもこれも調べておこう」と、すべての可能性を潰してから結論を出そうとするやり方です。
しかし、情報の波に飲まれて肝心の意思決定が遅れては本末転倒ですよね。
一方で「仮説思考」は、手元のわずかな情報から「おそらく答えはこうなるはずだ」という大きなストーリーを先に描いてしまいます。
これには驚くべきメリットがあります。
まず、調べるべき範囲がギュッと絞られるため、仕事が格段に速くなります。
また、先に仮の答えを置いておくことで、分析の途中で「あれ、予想と違うぞ?」とミスやズレに気づきやすくなり、結果としてアウトプットの質も高まるのです。
「雨が降りそうだから、傘を持っていこう」という日常の予測と同じように、ビジネスでも「先に答えを想定して動く」ことが成功への最短ルートになります。
では、どうすれば「筋の良い仮説」を立てられるのでしょうか。
コツは、今の常識や慣習をいったん忘れる「ゼロベース思考」にあります。
例えば、こんな視点の切り替えを試してみてください。
こうして生まれた仮説は、放置せず「実験・ディスカッション・分析」のサイクルで磨き上げていきます。
ここでのポイントは、完璧主義を捨てて「クイック&ダーティー(粗くても速く)」に検証することです。
特に同僚や上司とのディスカッションは有効です。
「社内の恥はかき捨て」というくらいの「知的タフネス」を持って、未完成の仮説をぶつけ、フィードバックを得ることで、仮説はより確かな「正解」へと進化していきます。
仮説思考は、才能ではなく「習慣」です。筋トレのように、日々の意識で誰でも鍛えることができます。
最も効果的なのは、身近な出来事に対して常に「So What?(だから何?)」と「Why?(なぜ?)」を問い続けることです。
「なぜあの韓国ドラマは流行っているのか?」「このニュースが自分の業界に与える影響は何なのか?」と予測を立ててみる。
そして、自分なりの将来予測を立てる練習を積み重ねるのです。
最初は外れても構いません。むしろ、「失敗から学ぶことで直感力が養われる」のが仮説思考の醍醐味です。
仮説思考とは、不確実な未来に対して、あえて「仮の答え」を持って一歩踏み出す勇気のことでもあります。
「まだデータが足りないから」と立ち止まるのではなく、まずは50点でもいいのでストーリーを描いて走り出してみましょう。
その一歩が、あなたのビジネスライフを劇的に加速させてくれるはずです。