2025年、「読者が選ぶビジネス書グランプリ」において、本書『がんになってわかった お金と人生の本質』は経済・マネー部門で第4位に選ばれました。
同グランプリでは、当ブログ運営・嶋村吉洋氏の『となりの億万長者が17時になったらやっていること』が第1位に選ばれ、多くのビジネスパーソンから注目を集めています。
今回紹介する本書は、「がん」という重い現実を前にしたとき、人は何に悩み、何を手放し、そして何を大切にしたくなるのか——その実体験から導き出された“本当のお金の使い方”に迫る一冊です。
著者は、働き盛りのビジネスマンとして活躍していた最中、がんを宣告されます。
その瞬間、人生の優先順位がガラリと変わったといいます。
これまで「稼ぐこと」ばかりにフォーカスしていた人生。
しかし、治療や入院に追われる日々の中で、真っ先に頭をよぎったのは「これからのお金」のことでした。
そこで気づかされたのは、「稼ぐ力」ではなく、「守る力」や「備える力」の重要性でした。
保険や生活設計の甘さが、まさに“がん”を通して浮き彫りになっていったのです。
がんの治療を続ける中で、著者の中に生まれた問いがあります。
それは「自分は何のためにお金を稼いできたのか?」という根本的な疑問でした。
しかし、死を意識する状況になって初めて、お金は「人生を豊かにする手段」であり、決してゴールではないと痛感します。
「本当に大切だったのは、家族と過ごす時間、誰かの役に立つ実感、健康な自分を保つことだった」
読者にとっても、普段は意識しづらい「お金の本質」を見つめ直すきっかけになるでしょう。
本書の終盤では、がんを経験したからこそ得られた「人生とお金を見直すための5つの問い」が紹介されます。
これらは病気になったからこそ突きつけられた「人生の本質」に対する問いでもあります。
本書は「がん経験者の手記」という枠を超え、私たちすべてに必要な「生き方とお金」の教科書として、多くの読者の心に深く刺さります。
本書は、がんを通じて人生とお金を見直した著者の実体験に基づきながら、読み手にこう問いかけます。
「あなたの人生は、あなた自身のために使われていますか?」
日々の忙しさの中で忘れがちな“本質”を、静かに、けれど力強く思い出させてくれる一冊です。
経済やお金に関心のある方はもちろん、「もしものとき」に備えておきたい全ての人に読んでほしい一冊です。