読まない人に、本を売れ。

実業家・作家の永松茂久氏による著書『読まない人に、本を売れ』。

著者は『人は話し方が9割 1分で人を動かし、100%好かれる話し方のコツ』がベストセラーとなり、前人未到の人気を博している、今注目のビジネス作家の一人です。

永松氏は、本ブログ運営者の嶋村吉洋氏が主催のソーシャルビジネスコミュニティ「ワクセル」のコラボレーターでもあります。

また、永松氏に関するコラムは、ワクセル公式ホームページ内でも複数投稿されています。


現代は、どれほど優れた商品やサービスを作っても、ただ待っているだけでは誰にも届かない時代です。特に本という媒体は、スマートフォンやSNSに人々の時間が奪われ、非常に厳しい状況にあります。

そんな中、2020年・2021年の年間ベストセラー1位を獲得した『人は話し方が9割』の著者、永松茂久氏が、自身の「ヒットの裏側」をすべて明かしたのが、本書『読まない人に、本を売れ。売れない時代に大ヒットを生み出す秘密』です。

累計400万部を超えるベストセラー作家であり、プロデューサーでもある著者が、なぜ自分の本だけがこれほどまでに売れ続けるのか、その手の内を論理的に解説しています。

ターゲットを「本を読まない層」に定める逆転の発想

多くの著者は、普段から本をよく読む「本好き」に向けて文章を書こうとします。

しかし、永松氏の戦略は全く逆です。

著者がターゲットに据えるのは、日々の生活に追われ、活字を読む余裕も習慣もない「普通の人々」です。

著者は、現代の読者を「難解な言葉は求めていないが、現状を打破したいという切実な思いを抱えている人々」と定義しています。
この「読まない人たち」に言葉を届けるためには、専門用語を一切排除し、中学生でも理解できるほど平易な言葉で、かつ心に直接響く「言葉の温度」を持たせることが不可欠です。

作り手のプライドを一旦横に置き、徹底的に「読み手の感情」に寄り添い切る。この徹底したユーザー視点こそが、爆発的なヒットを生み出すための第一歩であることが強調されています。

思考を「作家」から「プロデューサー」へ切り替える

本書において、永松氏は自分自身を単なる文章の書き手ではなく、一冊の本を世の中に浸透させる「総合プロデューサー」であると位置づけています。
この視点の転換こそが、単なる「良い本」を「売れる本」へと進化させる鍵となります。

具体的には、内容を書き始める前に「タイトル」から決定する手法や、一瞬で「これは自分のための本だ」と直感させるフックの作り方などが明かされます。
また、文字のフォントや余白の取り方、一文の長さといった「視覚的な読みやすさ」にも徹底的にこだわります。

さらに、出版社との信頼関係の構築や、現場で本を売る書店員の方々への熱意の伝え方など、本が読者の手に渡るまでの「全てのプロセス」をデザインする重要性が語られます。
これは、本に限らず、自社のサービスや商品を世の中に広めたいすべてのビジネスパーソンに応用できるプロデュース理論です。

価値の源泉となる「利他のマインド」と届ける覚悟

テクニックや戦略以上に本書が重要視しているのが、著者の根本にあるマインドセットです。
永松氏は、「本を売る」という行為を、自分を誇示するためではなく、その言葉を必要としている人の人生を少しでも明るくするための「貢献」であると定義しています。

「この本が届くことで、救われる人が必ずいる」という強い確信と、それに対する責任感。
この利他の精神こそが、妥協のないクオリティ管理と、執念とも言えるプロモーション活動の原動力になっています。

売れない理由を時代のせいにせず、届けるための努力を最後までやり切る覚悟があるか。

本書は、マーケティングの技術論に留まらず、プロフェッショナルとして働くことの誇りと、相手への思いやりを教えてくれる一冊です。
自分の価値を正しく世の中に届けたいと願うすべての人にとって、これ以上ないバイブルとなるでしょう。

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